ふと思い出したので、プレステ関連の小技を紹介します。このブログでは滅多に見ない実用的な話題ですね!


PS2/3をPCの液晶モニタでやれたら、と思ったことはありませんか?

今でこそ42型が10万以下で買えてしまう液晶テレビですが、パソコンのモニタはあってもテレビは持っていない…という人は少なくないかと思います。
テレビは消費電力や応答速度、遅延フレーム数などで今一つ(PC向けの)液晶モニタに及びません。それ専用にチューンされたモニタの方がテレビより圧倒的にゲームに向いているのです。
そして、なによりも安い。AmazonでIPS液晶モニタが諭吉2人でお釣りが来る値段で売られててビックリしました。ここまで値崩れしているなんて、家電メーカーが赤字を出すのにも納得がいきます。


それじゃあ、ゲームやりたい人は最初から液晶モニタを買えばいいじゃん!となるのですが現実はそう上手くはいかないんですね。
何故かというと、「ゲーム機の映像出力」と「液晶モニタの映像入力」が合致する必要があるからです。知っている人は読み飛ばして構いません。

そして、そのためには
  1.液晶モニタがPS2の映像信号に対応している
  2.映像端子の形式が物理的に合致している
という2つの条件を満たしていなければいけません。
仮に端子の形が合っていても、液晶モニタが信号に対応していなければ全く映らないため、先に1の条件を調べてみましょう。


1.液晶モニタがPS2の映像信号に対応しているか?

映像信号には様々な種類がありますが、PS2は480iという信号を出力します(これはアナログテレビ放送のようなものと考えてもらって構いません)。
この記事に書かれている方法でPS2を映したいという人は、マニュアルを見て液晶モニタが「480i」に対応しているか確かめてみましょう。ほとんどのメーカーがWeb上で取扱説明書を配布しています。

480iはテレビに適した信号のためか、液晶モニタでは対応していないものが数多くあるようです。頑張って探してみてください。
ちなみに私が使っている三菱のRDT231WM-S(BK) は480i信号に対応していました。後継機種のマニュアルを見た限りでは480i対応を続けているようです。

液晶モニタを無事入手したら、ケーブルを調達しましょう。


2.映像端子の形式が物理的に合致しているか?

今度はPS2とモニタ間の話になります。

例えばPlayStation3の場合はHDMI出力が可能です。このため「HDMIケーブル」を使えば、HDMI入力端子を備えている最近のモニタならまず映ります。
では、一世代前のPlayStation2で使われている以下の端子はどうでしょう。

・コンポジット端子(色の、いわゆるビデオ端子)
・S端子(コンポジットより若干画質がよい。繊細な構造をしている)
・D端子(USBを二回り大きくした感じ。なんとデジタルではない上に日本独自規格)
・コンポーネント端子(映像の+ステレオ音声。あまり見かけない)
これら端子による画質の違いはここを参照されたし。

結論から言うと、これらを入力するための端子は(基本的に、PC用の)液晶モニタには搭載されていません。一部の高級モデルにD端子やコンポーネント端子が搭載されているのみです。それも最近は滅多に見かけなくなりました。
ほとんどの液晶モニタはD-subと呼ばれる(だいたい青色で、ほとんどのPC映像を出力できる)アナログ端子に加え、デジタル規格のDVI-DやHDMI端子を搭載するケースが大半になっています。
PS2の出力はアナログなので、DVI-DやHDMIは接続不可能。ということは必然的にD-subで接続するしか道はないように思えます。
確かにアナログ信号を扱うD-subはPS2の唯一の受け入れ先なのですが、PS2にはパソコンの様にD-subを直接出力する端子はありません。

そこで浮かんだのが、コンポーネント端子をD-subに変換してしまおう!という発想。
なぜコンポーネントか?というと、PS2で可能な映像出力のなかで、最も画質が良いからです。
コンポーネント出力ならば、フルHDが珍しくもなんともない液晶モニタでも鑑賞に耐えるクオリティを発揮してくれます。

さて、接続に用いる2つのケーブルを紹介します。

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こちらがPS2側に接続する、ソニー純正のコンポーネントケーブル。赤緑青が映像、赤白が音声です。

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そしてこちらが変換ケーブルのコンポーネントビデオ変換アダプタ ADP-CV1E
です。使い方は、液晶モニタのD-sub端子に接続するだけ。

二つのケーブルのコンポーネント端子を繋げば完成です。
早速、プレステを起動してみましょう。

さて…映りましたか?
映像が乱れていたり映らない場合は、PS2側の映像出力設定を変更する必要があります。
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【重要】PS2のシステム設定で「コンポーネント映像出力」を「Y Cb/Pb Cr/Pr」にします。「RGB」だと映りません。

テレビなどの代替手段が無い場合、画面を見ずにPS2の設定を変更する必要があります…
そんなことできるのか?と思いきや、思わぬ回答を見つけました。
PS2の設定画面 | PS2・PS3のQ&A【OKWave】
ブラインドタッチで操作して設定変更が完了したら、PS2を再起動してみましょう。

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映りました。
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家庭用beatmania IIDX 16 EMPRESSを起動したところ。
写真のモニタは23インチのフルHD(1920×1080)液晶ですが、ジャギーやボケがほとんど見られないことにお気づきでしょうか。モニタ側の超解像技術も貢献しているとは思いますが、私も初めて接続したとき「え!PS2ってこんなに綺麗に映せるの!」と驚愕したものです。

記事の趣旨とは若干異なりますが、音楽ゲーム(beatmaniaIIDX)での遅延がほとんど見られませんでした。上級者の友人にプレーしてもらったところ、「テレビより断然画質が良い」「(ゲーム内の遅延設定について)+0msでいい」と好評でした。


これで、普段はPC用に使っている液晶モニタをPS2で遊ぶときにも使えるようになりました!
しかも以前テレビで遊んでいたときより画質(と遅延)が改善されたという素晴らしい効果も付属していました。

実はPS2からモニタに出力する方法は他にもいくつかあります(アップスキャンコンバータを使うとか…)が、最も単純でコストが抑えられる方法を今回は紹介させていただきました。

もしPS2で遊んでいるという人がまだいたら、ぜひ試してみてください。終。
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